ヒト化4713抗体はpan HLA-Clas II分子に対する抗体で、悪性リンパ腫に対する治療抗体として開発しています。悪性リンパ腫細胞に3 0 分で大きな穴をあけて殺します。
他方、ヒトの健常細胞には結合しますが殺しません。
今回ヒト化4713抗体が悪性リンパ腫細胞 (Raj 細胞)を殺す過程をタイムラプスを使って撮影しましたので紹介します。
ヒト化4713抗体が細胞に結合したところがグリーンに染まります。
死んだ細胞はP I染色で細胞内が赤く染まっていきます。
上段の写真はヒト化4713抗体を添加後の悪性リンパ腫細胞の90分の推移です。
60分でほとんどのがん細胞が赤く染まり、悪性リンパ腫細胞が死んでしまったことを意味します。
下段の写真はコントロール抗体投与後の変化です。結合しても、悪性リンパ腫細胞に変化は見られません。なお、ヒト化4713抗体は正常細胞をこのように殺すことはありません。
4713抗体がリンパ腫細胞(Raji細胞)表面上のHLA class II分子間に架橋を作り、HLA class II分子が凝集します。そこにアクチン フィラメントが引き寄せられて、細胞骨格に破綻をきたし、細胞死が誘導されます。
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